3 災害時警友活動等の諸活動

(6) 災害対応勉強会(徳島県警察主催)への参加

災害対応勉強会(徳島県警察主催)への参加(令和8年1月27日) 

                                       高橋俊雄会員手記

  ~徳島県での「災害対応勉強会」を終えて~

 私は2024年春、刑事部長を最後に徳島県警察を退職し、退職と同時にSuNPoDの会員として活動させていただいております。現在、徳島県では私以外にも2025年春、徳島中央警察署長を最後に退職しました生原 敬氏が会員として活動しております。

 さて過日(1月27日)、徳島県警察本部において徳島県警察主催、徳島県、県内24市町村、株式会社テレコメディア徳島支社、そしてSuNPoD協力の下、「災害対応勉強会」が開催されました。

 この勉強会は、警察による検視と医師の検案、自治体の役割とされる遺体安置所の設置・運営、行方不明者情報の収集・公表、更には御遺体の埋火葬までも含めた、いわゆる「広義の行方不明者対策」について関係機関や団体が相互に理解を深め、災害時における対処能力の更なる向上に努めるとの趣旨で開催されたものです。

 勉強会には、警察、知事部局、各市町村の幹部職員、防災担当職員約100名の方が参加されておりました。また、テレビ・新聞等、報道各社も多数取材に訪れておりました。

 次第としましては、警察本部から東日本大震災における検視・検案活動等について事例発表がなされた後、株式会社テレコメディア徳島支社による「災害時の安否不明者情報窓口『きずなダイヤル』」(※)の取組みの発表、竹内代表による「皆様にお伝えしたいこと~東日本大震災を経験して~」と題した特別講演、その後、質疑・応答、意見交換というものでした。

 特に竹内代表からは勉強会の趣旨を踏まえ、東日本大震災における「捜索活動」「検視・身元確認」「行方不明者対策」の3点を中心に講演を賜ったところであります。

 現在、徳島県や県内市町村が策定している大規模災害発生時における各種マニュアル等では、行方不明者の相談窓口の開設、被災した御遺体の収容場所や検視・検案、御遺体の埋火葬の検討等は決して十分なものではありません。

参加者一同、今回の勉強会を通して、こうした点にも着目した諸計画の策定、訓練の必要性を強く認識したものと考えています。

 また竹内代表及び弊職は、会議終了後、後藤田徳島県知事に表敬訪問しましたところ、 後藤田知事もSuNPoDの活動はもとより、「広義の行方不明者対策」に強い関心をお持ちになられたことを紹介しておきます。

                               

 ※ 徳島県と株式会社テレコメディアは、全国初の取組として大規模災害発生後の〈安否情報の電話対応〉を業務委託している。昨年11月には電話応対フローの確認・各機関との連携・課題解決を目的として、徳島県庁災害対策本部・同社徳島コールセンター・東京本社コールセンターの三拠点合同で、災害発生を想定した「きずなダイヤル図上訓練」を実施した。


(5) 令和7年度岩手県総合防災訓練参加

岩手医科大学・熊谷章子教授ご提供(令和7年11月8日) 

   令和7年度岩手県総合防災訓練に参加(岩手県西野会員手記)

11月8日(土)岩手県釜石市で開催された令和7年度岩手県総合防災訓練に捜査第一課のオブザーバーとして吉田良夫会員と共に参加して参りました。

訓練は三陸沖でマグニチュード8を超える巨大地震が発生し、津波による死者や行方不明者が発生したという想定での一連の流れに沿った遺体対応訓練でありました。

訓練に先立ち参加する関係機関の全体ミーティングが行われ、私どもSuNPoDについても紹介いただいたことから設立の経緯や活動内容などの説明をして参りました。

訓練には多くの関係機関が参加しておりその中で特に印象深いのは、災害時等の遺体洗浄のための特殊機器製造を手掛けている民間企業「北良株式会社」によるデモンストレーションが行われ大きな反響を得ておりました。デモ内容を要約すると「水循環処理装置」という機器で少ない水を循環させて災害などで汚れた遺体を洗浄、その汚水の汚れを分離し、連続して遺体を洗浄できるという装置であり、東日本大震災での経験を有する検視担当者や歯科医師からは水の確保や洗浄に苦労した経緯から、「災害時にこのような装置があれば非常に有効だ」と称賛の声が聞かれました。同装置はこれまでの訓練に参加してきた同社が東日本大震災の検視経験を有する検視担当者や当SuNPoD会員である吉田会員のアドバイスなどを受けて開発製造されたもので改めて関係機関の連携という点での訓練の重要さを実感した次第です。

また、千葉県議会議員が視察で訪れており、今後千葉県で訓練など行う際にSuNPoDも参加していただくことは可能かとの質問があり、これまで全国の自治体などから訓練への参加要請があり応じているし、勉強会にも参加させていただいている旨の説明をしております。

今後も地方会員としてこのような訓練に継続して参加して参りたいと思っております。

ダウンロード
2025岩手県の総合防災訓練に参加.docx
Microsoft Word 486.3 KB

(4) 警視庁杉並警察署災害訓練への参加

警視庁杉並警察署災害訓練への参加(令和7年9月1日) 

   災害警備総合訓練へのオブザーバー参加を終えて(野口耕樹会員手記)   2025年9月1日

 

 防災の日の9月1日、首都直下型地震等を想定した災害警備総合訓練が行われました。私は、「SuNPoD」の一員として、都内杉並区の東部を管轄する杉並警察署における訓練へのオブザーバー参加のため、竹内代表理事に同行させていただきました(計6名が参加)。

 同署において行われた訓練内容は、

 〇 資機材(チェーンソー、エンジンカッター)を活用した要救助者救出訓練

 〇 専用機器(ゴージャック)による放置車両移動(人力)訓練

 〇 東京消防庁杉並消防署による初期消火及び救護訓練

 〇 多数死体取扱要領訓練

 〇 被害情報収集訓練

です。

 およそ一時間にわたる訓練状況を視察させていただきましたが、総括として、訓練に従事された署員皆様方の練度の高さに感心いたしました。

同署管内は、住宅密集地で道路も狭く、大震災発災時には大規模火災の発生が予想される地域であると伺っております。

そうした管内実態に即し、平素からの備えとして、関係機関とも連携の上、鶴我署長指揮の下、「管内住民を守る最後の砦」としての覚悟、意気込みを垣間見ることができました。

本訓練に参加しての感想ですが、

災害時において、被災された方々に寄り添い、心の支えとなる活動を行っていきたいとの思いは、現職を退いた後も変わることはありません。

加齢とともに体力の衰えは否めませんが、自分にできることは何でもやっていきたいと、あらためて意を強くした次第です。

ダウンロード
250901杉並署訓練.docx
Microsoft Word 2.9 MB

(3) 鳥取県警主催研修会「地震津波への模擬対応訓練と講演~大震災の経験を踏まえて~」への参加

 本研修会も、実質的には、大規模災害発生に備えるための関係機関によるブレーンストーミング(いわば一種の図上訓練)であり、これに参加したことは、当法人にとっての「災害時警友活動」の実施事例となります。今回は、報道向け資料の中にも、当法人の「協力」が明記されました

 

 なお、本研修会参加についてはNHKニュース(鳥取版)と日本海新聞で報道されました。 

https://www3.nhk.or.jp/lnews/tottori/20250425/4040020221.html

 

鳥取県警主催研修会(令和7年4月25日) 

   鳥取県警研修の参加を終えて(上原 陽一会員手記)

 

 

1.日時 令和7年4月25日(金) 午前9時45分から午前11時45分まで

2.場所 鳥取県警察本部5階大会議室

3.参加者 警察本部、自治体(鳥取県・鳥取市)災害担当者 約50人

4.内容 鳥取県の「地震災害シナリオ」を基にした図上訓練(設問に対し出席者が順次発言をする形式)を実施し、その後、講師の説明・講演を聞くもの

5.備考 主催:鳥取県警察本部 協力:鳥取県、鳥取市、NPO 法人災害時警友活動支援ネットワーク

講師: ①NPO 法人災害時警友活動支援ネットワーク代表理事 竹内直人

②同法人正会員 山﨑 保(兵庫県警 OB)

③同法人正会員 上原 陽一(兵庫県警 OB)

  

 

(感想) 

 東日本大震災発生に伴い、宮城県へ広域緊急援助隊(検視部隊)現役警察官として派遣された者として研修に同行参加させていただきました。

 研修内容は、宮城県警察本部長として指揮を執られた竹内代表理事による教養訓練(設問、対応について指名回答を求めるもの)が実施された他、東日本大震災現地被災の実態、警察活動の状況等について講義がありました。

 短時間(2時間)ではありましたが、警察と自治体(鳥取県庁・市災害担当職員)が同時参加する研修は、各々の立場で発生直後からの執るべき措置、遺族への対応など関係機関連携の重要性を相互に理解・認識する緊張・臨場感のある研修内容であったと思います。

講義の終わりに殉職警察官の無念なテレビ報道を視聴し、災害時警察活動の重責や誇り、現場活動の困難さも実感することが出来ました。

 今後、震災経験のない警察官が採用されるなか、私自身も震災派遣経験のあるサンポッド正会員として実験的研修(兵庫県警OB 2名の同行・補助、体験発表)への参加機会があり、警友支援への充実感が得られ、貢献意欲が向上しました。

引き続き正会員の同行参加による研修実施を希望しています、ありがとうございました。

  上原 陽一 

(2) 令和6年度岩手県総合防災訓練参加

 当法人にとって、2番目の「災害時警友活動」の実施事例です。岩手医科大学の熊谷章子教授(法科学講座法歯学・災害口腔医学)から、『医大として遺族対応モデルの構築を目指しており、当分野のオブザーバーとして参加していただけないか。』との誘いを受け、会員2名(西野会員、吉田会員)が参加に至ったものです。

岩手県総合防災訓練(令和6年11月10日) 

〇 岩手県の総合防災訓練に参加(西野会員手記)

 

・岩手県総合防災訓練

 1 日時 令和6年11月10日(日)午前9時から午後零時までの間

 2 場所 岩手県花巻市東和町 東和町体育館

 3 訓練関係機関

   岩手県、花巻市、岩手県警察本部、岩手県医師会、岩手県歯科医師会、岩手県検案医会、岩手医科大学法医学講座、同法科学講座法歯学・災害口腔医学分野、同大学付属病院(DPAT)、株式会社桜

 

1110日午前9時から岩手県花巻市及び遠野市で開催された令和6年度岩手県総合防災訓練に当SuNPoD会員2名が参加しました。

私はこの度の訓練に「岩手医科大学の熊谷章子教授(法科学講座法歯学・災害口腔医学)から、『医大として遺族対応モデルの構築を目指しており、 当分野のオブザーバーとして参加していただけないか』との誘いを受けたことから参加しましたが、訓練は大雨による土砂災害が発生し死傷者多数が出たという想定であり、その死者には外国人が含まれているというものでした。

訓練内容は「関係機関の対処・連携強化」の科目の中で遺体対応訓練というもので遺体収容所初期設営、遺体搬入、検視身元確認、行方不明者相談受理、死亡届受理、遺体引き渡し、遺体安置所におけるDPATリエゾン活動という一連の流れで進められる各種訓練でした。

当初私の役目は、松戸市議の視察があるので岩手県職員OBで震災時の防災室長と二人でその方々を案内しながら説明するというものでしたが視察が中止となり、東北大学歯学部の教授と学生の視察への対応となりました。

私は県警を退職し9年目となりましたが現職時には、今回の訓練のような関係機関の対処や連携等に重点を置くような詳細にわたる訓練にまで至っていなかったように記憶しており、本当にきめ細かく、細部に至るまで訓練をしているという印象を受けました。

例示的には、色々あるのですが死者の中に外国人がおり韓国の方との想定からその兄役に韓国の方(教授)を招いていたり、通訳迄依頼し警察官が身元確認するための質問もその通訳を介して行いその引き渡しまでと細部にわたるものでした。また、ご遺体についても遺族から遺体の修復、復元まで希望するとの意思に基づき医師による遺体の修復、納棺師による復元の作業に至るまで微細にわたるものでした。

この関係機関の対処、連携には多くの関係機関が参加していたわけですが公共機関はもとより民間の関係機関も多く参加しておりました。

民間の関係機関には、先にも述べたように納棺師等を要する葬儀社であったり、霊柩車の協会であったり、また、視察として災害時等の遺体洗浄の特殊な機器の製造を手掛けて役立ちたいという民間企業もおり、その企業への説明には、同じく当会の吉田良夫会員が請われて検視等の一連の流れの説明に当たっております。

 

この訓練に参加して思うのは、私ども地方会員として今何がやれるのかということに至ると、この様な自治体等の訓練にSuNPoDとして参加することができれば関係機関としての機能を果たせるのではないかという思いを抱いた次第です。

(1) 磐田市研修会参加

 本研修会は、研修という名称ですが、実質的には、大規模災害発生に備えるための関係機関によるブレーンストーミング(いわば一種の図上訓練)であり、これに参加したことは、当法人にとって、初の「災害時警友活動」の実施事例です。

 なお、本研修会参加については、東日本放送(www.khb-tv.co.jp)においても報道されました。

磐田市研修会(令和6年7月12日) 右手:山下危機戦略監(司会)

   磐田市研修会に参加して (石田光男会員手記)

 

 令和6年度 磐田市 災害時遺体安置所の運営に関する研修会

1 日 時 令和6年7月12日()午後1時から午後4時の間

2 場 所 静岡県磐田市 磐田市役所 防災センター2階 災害対策本部

3 出席者 磐田市役所

内野副市長、市川危機監理監、佐原健康福祉部長、山下危機戦略監

関係各課幹部 防災担当者 磐田市消防署員

関係機関

    磐田市医師会、磐周歯科医師会、パルモ葬祭磐田、JA遠州サービス   

警察

 石川磐田警察署長、前田警備課長、加藤刑事課長、県警本部員                               

 SuNPoD

 竹内代表理事、石田       

敬称略

 

712日、磐田市役所で行われた前記研修会に竹内代表とご一緒させていただき、出席いたしました。

静岡県内では、研修会の前日に大雨警報が発令された地域もあり、当日も現地は降雨予報であったため、雨による被害が心配でしたが、幸い雨量も少なく大事には至らず、研修会も予定とおり開催されました。

磐田市では、本年3月8日、コロナ禍で中断していた遺体安置所設置訓練を市役所と磐田警察署の合同で実施しました。その際、遺体安置所の運営に関しての課題が提議されたため、本研修会開催に至ったということでした。

研修会には、磐田市役所や磐田警察署の幹部の方のほか、地元の医師会、歯科医師会、葬祭業者の方も出席されていました。

当初、草地市長も出席予定のところ、急用のため欠席となりましたが、お忙しい中、研修会の前にお会いしてお話をさせていただきました。

出席されたメンバーから、磐田市の官民一体となった防災意識の高さを感じました。

研修会は、竹内代表理事の講演(1時間)、私の講演(30分)、出席者による意見交換会という構成で行われました。

梅雨明け直後の猛暑の中、金曜日午後の講演、しかも地味な話。出席者の方にはお仕事でお疲れのところ申し訳ないなとは思いつつ、皆様の熱量を感じ、予定の時間をオーバーしてしまったことを反省しております。

引き続き行われた意見交換会は、課題に対する活発な議論が交わされ、また、医師会、歯科医師会、葬祭業者の方のお話も拝聴させていただき非常に参考となりました。

研修会終了後、市役所、警察署、医師会、報道関係の方から個別に質問をいただきましたが、帰りの新幹線の時間も迫っていたため、中途半端な回答になってしまったことをお詫び申し上げるとともに非常に心残りでした。

研修会に出席して感じたことは、実態に合った有意義な研修会ということです。

私は検視官当時、災害時の遺体処置に関する訓練を1年間担当させていただきました。当時の訓練は、一つは、検視官室が主管して各警察署から捜査幹部2名を招集し、東京都、監察医務院、地元自治体、東京都歯科医師会と合同で行う大規模な訓練です。もう一つは、警察署の刑事課が主管して警察署単独で行う訓練です。この二つが主なもので、いずれも年1回、震災の日に実施していました。

磐田市で実施しているような、市役所と警察署の合同訓練や消防、医師会、歯科医師会、葬祭業者を巻き込んだ研修会を実施したという警察署からの報告は記憶にありません。

当時も、実際に災害が発生したことを考えると、警察署単独ではなく、地元自治体との合同訓練の必要性は感じてはいましたが、リーダーシップや他業務との兼ね合いという面から、中々、実現は難しい状況でした。 

磐田市役所と磐田警察署で行っている合同訓練や地元の医師会、歯科医師会、民間業者も巻き込んだ研修会という名目の図上訓練は、実際の災害時の活動に合った有意義なものであり、全国的にも数少なく、リーディングケースになるものだと思います。何より、市民目線で申し上げますと「市役所や警察の人はこんなことまで考えてくれているのか。」と非常に頼もしく感じる次第です。

経験もなく、前例もない中で、様々な課題や疑問があり、市民の方のためになる最適解を探し出すのは大変なことだとは思いますが、是非、次の世代に繋ぐことができるよう継続していただいて、私たちでお役に立てることがあれば、喜んでお手伝いさせていただく所存です。

             令和6年8月19日

             SuNPoD会員  石田光男