本研修会も、実質的には、大規模災害発生に備えるための関係機関によるブレーンストーミング(いわば一種の図上訓練)であり、これに参加したことは、当法人にとっての「災害時警友活動」の実施事例となります。今回は、報道向け資料の中にも、当法人の「協力」が明記されました。
なお、本研修会参加については、NHKニュース(鳥取版)と日本海新聞で報道されました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/tottori/20250425/4040020221.html
鳥取県警主催研修会(令和7年4月25日)
鳥取県警研修の参加を終えて(上原 陽一会員手記)
1.日時 令和7年4月25日(金) 午前9時45分から午前11時45分まで
2.場所 鳥取県警察本部5階大会議室
3.参加者 警察本部、自治体(鳥取県・鳥取市)災害担当者 約50人
4.内容 鳥取県の「地震災害シナリオ」を基にした図上訓練(設問に対し出席者が順次発言をする形式)を実施し、その後、講師の説明・講演を聞くもの
5.備考 主催:鳥取県警察本部 協力:鳥取県、鳥取市、NPO 法人災害時警友活動支援ネットワーク
講師: ①NPO 法人災害時警友活動支援ネットワーク代表理事 竹内直人
②同法人正会員 山﨑 保(兵庫県警 OB)
③同法人正会員 上原 陽一(兵庫県警 OB)
(感想)
東日本大震災発生に伴い、宮城県へ広域緊急援助隊(検視部隊)現役警察官として派遣された者として研修に同行参加させていただきました。
研修内容は、宮城県警察本部長として指揮を執られた竹内代表理事による教養訓練(設問、対応について指名回答を求めるもの)が実施された他、東日本大震災現地被災の実態、警察活動の状況等について講義がありました。
短時間(2時間)ではありましたが、警察と自治体(鳥取県庁・市災害担当職員)が同時参加する研修は、各々の立場で発生直後からの執るべき措置、遺族への対応など関係機関連携の重要性を相互に理解・認識する緊張・臨場感のある研修内容であったと思います。
講義の終わりに殉職警察官の無念なテレビ報道を視聴し、災害時警察活動の重責や誇り、現場活動の困難さも実感することが出来ました。
今後、震災経験のない警察官が採用されるなか、私自身も震災派遣経験のあるサンポッド正会員として実験的研修(兵庫県警OB 2名の同行・補助、体験発表)への参加機会があり、警友支援への充実感が得られ、貢献意欲が向上しました。
引き続き正会員の同行参加による研修実施を希望しています、ありがとうございました。
上原 陽一
本研修会は、研修という名称ですが、実質的には、大規模災害発生に備えるための関係機関によるブレーンストーミング(いわば一種の図上訓練)であり、これに参加したことは、当法人にとって、初の「災害時警友活動」の実施事例です。
なお、本研修会参加については、東日本放送(www.khb-tv.co.jp)においても報道されました。
磐田市研修会(令和6年7月12日) 右手:山下危機戦略監(司会)
磐田市研修会に参加して (石田光男会員手記)
令和6年度 磐田市 災害時遺体安置所の運営に関する研修会
1 日 時 令和6年7月12日(金)午後1時から午後4時の間
2 場 所 静岡県磐田市 磐田市役所 防災センター2階 災害対策本部
3 出席者 磐田市役所
内野副市長、市川危機監理監、佐原健康福祉部長、山下危機戦略監
関係各課幹部 防災担当者 磐田市消防署員
関係機関
磐田市医師会、磐周歯科医師会、パルモ葬祭磐田、JA遠州サービス
警察
石川磐田警察署長、前田警備課長、加藤刑事課長、県警本部員
SuNPoD
竹内代表理事、石田
敬称略
7月12日、磐田市役所で行われた前記研修会に竹内代表とご一緒させていただき、出席いたしました。
静岡県内では、研修会の前日に大雨警報が発令された地域もあり、当日も現地は降雨予報であったため、雨による被害が心配でしたが、幸い雨量も少なく大事には至らず、研修会も予定とおり開催されました。
磐田市では、本年3月8日、コロナ禍で中断していた遺体安置所設置訓練を市役所と磐田警察署の合同で実施しました。その際、遺体安置所の運営に関しての課題が提議されたため、本研修会開催に至ったということでした。
研修会には、磐田市役所や磐田警察署の幹部の方のほか、地元の医師会、歯科医師会、葬祭業者の方も出席されていました。
当初、草地市長も出席予定のところ、急用のため欠席となりましたが、お忙しい中、研修会の前にお会いしてお話をさせていただきました。
出席されたメンバーから、磐田市の官民一体となった防災意識の高さを感じました。
研修会は、竹内代表理事の講演(1時間)、私の講演(30分)、出席者による意見交換会という構成で行われました。
梅雨明け直後の猛暑の中、金曜日午後の講演、しかも地味な話。出席者の方にはお仕事でお疲れのところ申し訳ないなとは思いつつ、皆様の熱量を感じ、予定の時間をオーバーしてしまったことを反省しております。
引き続き行われた意見交換会は、課題に対する活発な議論が交わされ、また、医師会、歯科医師会、葬祭業者の方のお話も拝聴させていただき非常に参考となりました。
研修会終了後、市役所、警察署、医師会、報道関係の方から個別に質問をいただきましたが、帰りの新幹線の時間も迫っていたため、中途半端な回答になってしまったことをお詫び申し上げるとともに非常に心残りでした。
研修会に出席して感じたことは、実態に合った有意義な研修会ということです。
私は検視官当時、災害時の遺体処置に関する訓練を1年間担当させていただきました。当時の訓練は、一つは、検視官室が主管して各警察署から捜査幹部2名を招集し、東京都、監察医務院、地元自治体、東京都歯科医師会と合同で行う大規模な訓練です。もう一つは、警察署の刑事課が主管して警察署単独で行う訓練です。この二つが主なもので、いずれも年1回、震災の日に実施していました。
磐田市で実施しているような、市役所と警察署の合同訓練や消防、医師会、歯科医師会、葬祭業者を巻き込んだ研修会を実施したという警察署からの報告は記憶にありません。
当時も、実際に災害が発生したことを考えると、警察署単独ではなく、地元自治体との合同訓練の必要性は感じてはいましたが、リーダーシップや他業務との兼ね合いという面から、中々、実現は難しい状況でした。
磐田市役所と磐田警察署で行っている合同訓練や地元の医師会、歯科医師会、民間業者も巻き込んだ研修会という名目の図上訓練は、実際の災害時の活動に合った有意義なものであり、全国的にも数少なく、リーディングケースになるものだと思います。何より、市民目線で申し上げますと「市役所や警察の人はこんなことまで考えてくれているのか。」と非常に頼もしく感じる次第です。
経験もなく、前例もない中で、様々な課題や疑問があり、市民の方のためになる最適解を探し出すのは大変なことだとは思いますが、是非、次の世代に繋ぐことができるよう継続していただいて、私たちでお役に立てることがあれば、喜んでお手伝いさせていただく所存です。
令和6年8月19日
SuNPoD会員 石田光男
当法人にとって、2番目の「災害時警友活動」の実施事例です。岩手医科大学の熊谷章子教授(法科学講座法歯学・災害口腔医学)から、『医大として遺族対応モデルの構築を目指しており、当分野のオブザーバーとして参加していただけないか。』との誘いを受け、会員2名(西野会員、吉田会員)が参加に至ったものです。
岩手県総合防災訓練(令和6年11月10日)
〇 岩手県の総合防災訓練に参加(西野会員手記)
・岩手県総合防災訓練
1 日時 令和6年11月10日(日)午前9時から午後零時までの間
2 場所 岩手県花巻市東和町 東和町体育館
3 訓練関係機関
岩手県、花巻市、岩手県警察本部、岩手県医師会、岩手県歯科医師会、岩手県検案医会、岩手医科大学法医学講座、同法科学講座法歯学・災害口腔医学分野、同大学付属病院(DPAT)、株式会社桜
11月10日午前9時から岩手県花巻市及び遠野市で開催された令和6年度岩手県総合防災訓練に当SuNPoD会員2名が参加しました。
私はこの度の訓練に「岩手医科大学の熊谷章子教授(法科学講座法歯学・災害口腔医学)から、『医大として遺族対応モデルの構築を目指しており、 当分野のオブザーバーとして参加していただけないか』との誘いを受けたことから参加しましたが、訓練は大雨による土砂災害が発生し死傷者多数が出たという想定であり、その死者には外国人が含まれているというものでした。
訓練内容は「関係機関の対処・連携強化」の科目の中で遺体対応訓練というもので遺体収容所初期設営、遺体搬入、検視身元確認、行方不明者相談受理、死亡届受理、遺体引き渡し、遺体安置所におけるDPATリエゾン活動という一連の流れで進められる各種訓練でした。
当初私の役目は、松戸市議の視察があるので岩手県職員OBで震災時の防災室長と二人でその方々を案内しながら説明するというものでしたが視察が中止となり、東北大学歯学部の教授と学生の視察への対応となりました。
私は県警を退職し9年目となりましたが現職時には、今回の訓練のような関係機関の対処や連携等に重点を置くような詳細にわたる訓練にまで至っていなかったように記憶しており、本当にきめ細かく、細部に至るまで訓練をしているという印象を受けました。
例示的には、色々あるのですが死者の中に外国人がおり韓国の方との想定からその兄役に韓国の方(教授)を招いていたり、通訳迄依頼し警察官が身元確認するための質問もその通訳を介して行いその引き渡しまでと細部にわたるものでした。また、ご遺体についても遺族から遺体の修復、復元まで希望するとの意思に基づき医師による遺体の修復、納棺師による復元の作業に至るまで微細にわたるものでした。
この関係機関の対処、連携には多くの関係機関が参加していたわけですが公共機関はもとより民間の関係機関も多く参加しておりました。
民間の関係機関には、先にも述べたように納棺師等を要する葬儀社であったり、霊柩車の協会であったり、また、視察として災害時等の遺体洗浄の特殊な機器の製造を手掛けて役立ちたいという民間企業もおり、その企業への説明には、同じく当会の吉田良夫会員が請われて検視等の一連の流れの説明に当たっております。
この訓練に参加して思うのは、私ども地方会員として今何がやれるのかということに至ると、この様な自治体等の訓練にSuNPoDとして参加することができれば関係機関としての機能を果たせるのではないかという思いを抱いた次第です。